アメリカでは数多くのUFO目撃事件が起きています。
ロサンゼルスの戦いやフェニックスの光が有名ですが、首都ワシントンD.C.で起きたUFO乱舞事件もその一つ。
議事堂やホワイトハウスの上にUFOらしきものが複数出現し、全米中が騒然となりました。
この記事では、そんなワシントンUFO乱舞事件についてご紹介します。
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ワシントンUFO乱舞事件とは
ワシントンUFO乱舞事件とは、1952年7月19日から27日にわたって、アメリカの首都ワシントンD.C.上空にUFOらしき複数の不思議な光が出現した現象のことをいいます。
アメリカの首都に未確認飛行物体が出現したとあって、国民は騒然。
新聞でも大きく報道され、「UFOがワシントンD.C.に襲来した」と考える人も多く、全米で話題となりました。
そんなワシントンUFO乱舞事件の詳細は次の通りです。
最初のUFO目撃事件
ことの発端は、7月19日の午後11時40分頃に、ワシントンナショナル空港の管制官が、レーダーに映る不審な光を発見したことでした。
その不審な光はホワイトハウスや連邦議事堂の上空にあると思われたため、管制官はアンドリューズ空軍基地に通報。
これを受けて、米軍の戦闘機F-94Bが緊急発進しました。
この時、不審な光はF-94Bが現場に到着する直前にレーダーから消え、同機が引き返すとまた現れました。
また、同時刻には、ワシントンナショナル空港付近を飛行中の旅客機のパイロットらが、空中で異様な動きをする複数の光を目撃しています。
二回目のUFO目撃事件
最初のUFO目撃事件から一週間後の7月26日午後8時頃、二回目のUFO目撃事件が発生しました。
ワシントンD.C.上空を飛行中の旅客機の乗務員らが不審な光を目撃したのです。
乗務員らの証言によると、不審な光は上下左右に不規則に動き、速度を変化させたり静止したりしていたのだとか。
ワシントンナショナル空港のレーダーにも同様の動きが映っていました。
そのため、2機のF-94戦闘機がレーダーの指し示す場所に急行。
隊長機のパイロットは「何も発見できなかった」と語っていますが・・・
僚機に搭乗していたウイリアム・パターソン中尉は、「4つの光る物体が機体を取り巻くように飛んでいた」と証言しています。
その後も、不審な光は様々な場所に出現。
ただし、いずれも戦闘機が到着するとすぐに消えてしまいました。
さらに深夜には、アンドリュース無線塔の上空にも不審な光が出現。
通信員たちは「オレンジ色に輝く巨大な球体をみた」と証言しています。
ちなみに、この二つ事件で目撃された不審な光の総数は12個前後。
「68機もの未確認飛行物体がワシントンD.C.に出現した」という話がありますが、これは事件後に広がったフェイクニュースだと言われています。
ワシントンUFO乱舞事件とほぼ同時刻、世界中にUFOが出現
UFOらしき物の出現で騒然となる1時間前、沖縄の米軍基地に球状の未確認飛行物体が出現。
勤務中だった4人の兵士が目撃しており、「その飛行物体は急激に飛行コースを変えていた」と証言しています。
そればかりか、ワシントンUFO乱舞事件の数十分後には、モンタナ州のグレートウォールズ空軍基地上空に5機の飛行物体が出現。
数分後にはニューメキシコ州のホロマン空軍基地上空に、高速で動く3つの光る物体が出現。
さらにその後の数時間以内に、ニューヨーク、モロッコ、カサブランカ、マラケシュ、アルジェリアにも不審な光が出現しています。
なお、ワシントンUFO乱舞事件に関しては、ドキュメンタリー番組「古代の宇宙人」(第41話)で詳しく紹介されています。
ワシントンUFO乱舞事件で目撃されたものは蜃気楼?
ワシントンUFO乱舞事件で目撃された光について、米空軍は「逆転層による気象現象(上位蜃気楼)だった」と説明しました。
たしかに、逆転層であればレーダーに映ります。
また、普通の蜃気楼は地平線上に現れますが、上位蜃気楼は地平線に関係なく上空に現れるのが特徴。
その典型的な事例と言われているのが、2015年に中国の広東市上空に現れた「空中都市」です。(下の写真参照)
ご覧の通り、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」のような物が上空に見え、大勢の人が「都市型UFOだ」と考えたほどです。
ワシントンUFO乱舞事件は蜃気楼じゃない
米空軍が「逆転層による気象現象だ」と発表したことで、アメリカ国民は落ち着きを取り戻しました。
しかしながら、米空軍のいう上位蜃気楼説ではワシントンUFO乱舞事件を説明できません。
というのも、「光は高速で不規則に動き、その表面は金属のようだった」というのが目撃証言の共通点だから。
「蜃気楼が高速で不規則に動くのか?」という疑問があるわけです。
また、「蜃気楼なのに、なぜ建物などは見えず光だけなのか?」という疑問もあります。
前述したように、中国のケースでは都市がはっきりとみえました。
蜃気楼はあくまでも光の屈折によるものですから、基本的に地上にある物が上空に見えるはず。
それが光だけというのは不自然です。
さらに、ワシントンD.C.の後に不審な光が現れたニューメキシコ州では、気温逆転現象など起きていなかったことが分かっています。
そのため、少なくともニューメキシコ州で目撃された不審な光は上位蜃気楼ではありません。
以上のことから、ワシントンD.C.をはじめとして世界中で目撃された不審な光は、本物のUFOだったと考えられるのです。
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不規則な動きをする光は度々目撃されている
ワシントンUFO乱舞事件で目撃された光は、不規則な動きをするのが特徴。
この「不規則な動きをする」という点において気球や既存の航空機とは異なっており、自ずとUFOである可能性が高まります。
そして、同様の不規則な動きをする光は、世界各地で何度も目撃されています。
以下はその一例です。
年 | 場所 | 内容 |
1967年 | アメリカ | マルムストロム空軍基地上空に赤く光る物体が出現。縦横無尽に飛び回った後、急加速して飛び去った。その直後、10発の核ミサイルが発射不能となった。 |
1970年 | ベトナム | B52爆撃機の副操縦士だったジェームズ・レイ・ボシェアーズは、30km先から白い光が近付いてくるのを目撃した。レーダーによると、この白い光は時速9000km以上の速度で左にほぼ直角に曲がった。 |
1980年 | ペルー | ラホヤ空軍基地のレーダーが謎の飛行物体を捕捉。戦闘機で現場に向かったルイス・スパイサー大将は、大きく輝く物を目撃。その物体は急上昇するなど、戦闘機が近づく度に避ける動きをした。さらに、機銃を放ってもその物体は弾丸を吸収した。 |
1980年 | イギリス | ベントウォーターズ空軍基地の近くにある森で、赤い光が木々を避けながら飛んでいるのが目撃された。その後白く輝く別の物体が二つ現れ、基地に向かって飛んでいった。(通称:レンデルシャムの森事件) |
1995年 | アメリカ | 給油機の搭乗員だったダニエル・ギブソン少佐がコクピットでオーロラをみていると、突然光る物体が出現した。その光は1分ほど同じ位置にとどまったのち、輝きを増して急上昇し、視界から消えた。 |
1999年 | アドリア海 | 給油機に搭乗していたデレク・ターが白く輝く球体を目撃。それは非常に速く不規則に飛んでおり、急上昇して視界から消えた。 |
2016年 | アメリカ | 大手航空会社のパイロットであるスコット・グッドナウは、メンフィスからLAへ向かう途中にオレンジ色の球体が飛んでいるのを目撃。その球体は突然進路を変えて飛行機に近付いてきた。 |
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ワシントンUFO乱舞事件の写真は偽物?
ワシントンUFO乱舞事件の様子をとらえた有名な写真があります。(下の写真参照)
ご覧の通り、議事堂の上を飛ぶUFOがはっきりと写っているのですが・・・
実のところ、これは偽物です。
写真に写っている議事堂には改修工事の跡があるのですが、その工事が行われたのは1952年以降のこと。
つまり、この写真は事件の様子をイメージしやすいように、後で加工されたものです。
残念ながら、ワシントンUFO乱舞事件においてUFOの姿をとらえた写真は一枚もありません。
ただし、写真がないからといって、事件そのものがでっち上げという訳ではありません。
事件当夜、大勢の人がUFOを目撃したのは事実であり、前述したように、それは上位蜃気楼とは別物だと考えられるのです。
ロサンゼルスの戦いで撮影されたUFO写真も偽物だった
ワシントンUFO乱舞事件の写真はあくまでもイメージ写真。
そのような写真が出回ることは、日本ではあまりありません。
しかしながら、アメリカでは決して珍しいことではないようです。
たとえば、1942年2月25日にロサンゼルスで起きたUFO事件(通称:ロサンゼルスの戦い)においても、ロサンゼルス・タイムズ紙が偽物の写真を新聞に載せています。
この写真には、対空砲火を浴びるUFOがはっきりと写っていますが、これは修正液を使ってレタッチされたもの。
2011年2月に判明し、ロサンゼルス・タイムズ紙がレタッチであったことを認めています。
もっとも、ロサンゼルスの戦いも実際に起こった事件であり、その日にUFOが飛行していたのはほぼ間違いありません。
なお、世の中には本物のUFOを写したと思われる写真も多数存在します。
それらについては下の記事でまとめて紹介しています。
宇宙人・UFOの写真や画像をまとめて公開!NASAが火星や月で撮影した遺跡も
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ワシントンD.C.では2024年にもUFOが目撃されている
ワシントンUFO乱舞事件から72年が経った2024年の11月26日。
ワシントンD.C.上空に再び不審な光が出現しました。(下の写真参照)
今回目撃されたのは4つの発光物体。
目撃者がそれを撮影しSNSに投稿したのです。
これをきっかけに、UFOか否かの論争が勃発。
UFOに懐疑的な専門家からは「付近の空港を発着する飛行機の誤認説」や「議会議事堂のライトの反射説」が出ています。
たしかに、条件さえ揃えば科学的にはどちらもあり得ることです。
ただし、現地メディアは、「この発光物体は1週間以上にわたって目撃されている」と報じています。
ワシントンUFO乱舞事件以来70年以上も無かった現象が今になって1週間以上も続いているわけで、飛行機の誤認やライトの反射と考えるのには無理があります。
ちなみに、2024年12月11日時点で、アメリカ国防総省(ペンタゴン)は何のコメントも発表していません。
まとめ
この記事では、ワシントンUFO乱舞事件についてご紹介しました。
写真は偽物でしたが、1952年7月19日と26日の夜に不審な光が飛んでいたことは紛れもない事実。
米空軍は上位蜃気楼だと説明していますが、「不規則な動きをしていた」という目撃証言から考えるとUFOだったと思われます。
同様の事件は2024年にも発生。
このことから、宇宙人は何らかの意図を持ってアメリカを監視していると考えられます。
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