宇宙人による誘拐は世界中で起きている現象。
被害者の数は数万とも数十万とも言われています。
そんな誘拐事件の存在を世間に知らしめたのが、バーニー・ヒルとベティヒルの夫妻。
このヒル夫妻が誘拐事件を公表したことで、他の被害者も声をあげるようになりました。
そこでこの記事では、ヒル夫妻が体験した誘拐事件をご紹介します。
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宇宙人による誘拐事件が表面化したきっかけ
私は、宇宙人による誘拐事件は遥か昔から起きていたと考えています。
というのも、おとぎ話や伝説にそれらしき描写があるから。
日本のおとぎ話である浦島太郎の物語では、竜宮城から戻ると時間が消失していました。
また、アンコールワットを設計したとされるピスノカールの伝説では、インドラの楽園へと連れ去られ、そこで高度な建築技術を学んだと言われています。
もっとも、宇宙人による誘拐事件が明確になったのは現代になってから。
1960年代にバーニー・ヒルとベティ・ヒルの夫妻が、「宇宙人によって誘拐された」と公表したことがきっかけでした。
当時、夫のバーニーはアメリカ合衆国郵便公社に勤務する傍ら、全米人権委員会の地方委員会の一員でもありました。
また、妻のベティはソーシャルワーカーで、夫妻共にしっかりとした仕事と世間的地位を持っていました。
宇宙人によって誘拐されたなどと公表すれば、世間から嘘つき呼ばわりされるのは必至。
社会的に成功していたヒル夫妻にそんなリスクを冒す理由はありませんから、二人が語った体験談は信ぴょう性が高いのです。
ヒル夫妻が体験した宇宙人による誘拐事件
ヒル夫妻はすでに亡くなっていますが、ベティの姪であるキャシー・マーデン(事件当時13歳)は存命。
マーデンは子供の頃にヒル夫妻からきいた誘拐事件の話をよく覚えています。
以下は、マーデンが語った誘拐事件の一部始終です。
(キャシー・マーデンはヒル夫妻から聞いた話を元に、事件の真相を書いた本を出版しています)
1961年9月19日の夜、旅先から帰宅途中のヒル夫妻は、車でニューハンプシャー州グローブトンにある国道3号線を走行していました。
道中、夫のバーニーが夜空に明るい光りを目撃。
そこでクリーブランド山のピクニックコース辺りで車をとめ、双眼鏡で光を確認しました。
すると、様々な光を発しながら月の前を横切る飛行物体が見えたそうです。
それは青白く、鋭角に曲がるなど、不規則な飛び方をしていたとのこと。
その後、ヒル夫妻が車を走らせていると、飛行物体が追跡してきたそうです。
さらに、飛行物体は急降下を開始。
車の30mほど前で停止したため、バーニーは道路の真ん中で停車しました。
その際、飛行物体に窓があるのが見え、そこに8~11人ほどの人(宇宙人)がいたといいます。
怖くなったバーニーは車を急発進させ、国道3号線からわき道へと入りました。
場所はインディアンヘッド近くの湖。
その先には6~8人の宇宙人が道を塞ぐように立っていたそうです。
誘拐事件の直後にヒル夫妻が覚えていたのはここまで。
次の瞬間、ヒル夫妻は再び国道3号線を走っていました。
ただし、時間がいっきに2時間ほど経過していたそうです。
なお、マーデンの証言は、ドキュメンタリー番組「UFOハンターズ」(宇宙人による誘拐)で詳しく紹介されています。
誘拐事件のその後
帰宅後、夫妻は「簡単には説明することができない興奮にとらわれた」そうです。
また、二人とも何となく肌が汚染されているような感覚を覚え、長時間シャワーを浴びたとのこと。
不審に思ったヒル夫妻は、覚えていること・目撃した物をスケッチしてみることに。
二人が書いた絵は酷似しており、同じ体験をした(夢ではない)ことが明らかになりました。
なお、帰宅後、バーニーは、なぜか自分の性器が気になったそうで・・・
その時は異常な点は確認できなかったものの、半年後、鼠径部の周囲にいぼが出現。
それはほぼ真円を描いていたといいます。
ヒル夫妻の身の回りに起きた異変
翌朝、ヒル夫妻は車にコインサイズの無数の丸い斑点・傷ができているのを確認。
その斑点に方位磁石を近づけると、針は激しく回転したそうです。
また、ベティが着ていたドレスは、ジッパー部分が裂けて、裾は破れていました。
さらにピンク色の粉が付着し、あちこちが泥で汚れていたのです。
後年、ドレスを顕微鏡で観察したところ、部分的に糸が伸びていました。
このことから、何らかの強い力が加わったと推測されます。(例えば引っ張られるなど)
また、ドレスに付着していたピンク色の粉をスペクトル分析したところ、タンパク質と脂肪であることが判明。
ベティやバーニーの体組織とも考えられますが、その一方で二人以外の何者か(動物も含む)の体組織とも解釈できます。
ちなみに、このドレスの一部は現在でも保管されています。
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ヒル夫妻が誘拐事件を空軍に報告
事件から二日後の9月21日、心配になったベティはピース空軍基地に電話をかけ、UFOとの遭遇体験を報告。
翌9月22日には、ポール・W・ヘンダーソン少佐が約30分間にわたってヒル夫妻に聴取を行っています。
しかしながらヘンダーソン少佐は、「ヒル夫妻はおそらく木星を誤認した」と結論づけ、その内容で報告書を作成。
その報告書は、当時アメリカ空軍内にあったUFO調査機関「プロジェクト・ブルーブック」に送られています。
また、ベティは事件の数日後に、民間のUFO研究団体NICAPの会長であるドナルド・キーホーに宛てて、一部始終を綴った手紙を送付しています。
悪夢に悩まされるベティ
宇宙人による誘拐事件の後、ベティは毎晩のように悪夢をみるようになりました。
その夢の内容は、次の通りです。
- 2人の「小さな男(宇宙人)」によって夜の森を歩くよう命令された
- ベティの横にはバーニーがいたが、呼びかけても返事はなかった
- 宇宙人の身長は5フィート(約150cm)、髪の毛は短く、大きな鼻をしていた
- ヒル夫妻は円盤型をした金属製の乗り物に乗せられた
- 宇宙人たちはベティに英語で話しかけていた
- 宇宙人は「地球人との相違点を調べるために、簡単な検査を行うと告げた
- 宇宙人はベティの髪と爪、足の皮膚の一部を切り取った
- さらにベティの口、目、手を調べた
- 宇宙人はベティの神経系を調べると言って脳波計のような装置をあてた
- 宇宙人はベティの衣服を取り去り、針状の器具を用いて妊娠検査を行なった
- 検査が終了すると、「まもなく車に戻されるであろう」と告げられた。
また、ベティは宇宙人のリーダーに対して、「どこから来たのか?」と質問。
するとリーダーは、壁にたくさんの星や惑星が記された地図を出して説明したといいます。
その後、UFOから降ろされたヒル夫妻は、宇宙船が飛び去るのを見送ってからドライブを再開したそうです。
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逆行催眠療法で分かった誘拐事件の全貌
1962年の夏、バーニーは深刻な不安や苦悩を取り除いてもらうために、ニューハンプシャー州エクセターの精神科医ダンカン・スティーヴンスのもとで定期的な催眠治療を受けはじめました。
その後、ボストンの精神分析医ベンジャミン・サイモン博士を紹介され、1963年12月14日に対面。
1964年1月4日から、サイモン博士のもとで逆行催眠による診療が開始されました。
この診療は同年6月6日土曜日まで続きました。
バーニーが逆行催眠で思い出したこと
サイモン博士のもとで行った逆行催眠でバーニーが思い出した事は、次の通りです。
- 車でUFOから逃げていたが、なぜか否応なくわき道に入らされた
- 森の中に6人の男(宇宙人)が立っていた
- 宇宙人の目は非常に大きく、側頭部に届きそうだった
- ヒル夫妻は円盤状の宇宙船に連れ込まれ、中で引き離された
- バーニーは性器にカップ状の装置を被せられ、精液を採取された
- 宇宙人はバーニーの肌をこすり、耳と口を覗き込んだ
- 肛門に管のようなものを挿入された
- 椎骨の数を数えているように思われた
- 宇宙人はバーニーには理解できない言語で会話していた
当初はほとんど記憶がなかったバーニーですが、逆行催眠でかなり思い出した模様。
「否応なくわき道に入らされた」と語っていることから、宇宙人は人間の行動をある程度操れるのかもしれません。
ベティが逆行催眠で思い出したこと
ベティが逆行催眠で思い出したことは、それまでに見ていた夢とほとんど同じ内容でした。
違ったのは、宇宙人の容姿に関すること。
夢では大きな鼻をしていて髪の毛がありましたが、逆行催眠で思い出したところによると、鼻は小さく、髪の毛はありませんでした。
なお、ベティは宇宙人に「どこから来たのか?」と質問した際に示された星図を思い出し、それを紙に書き上げました。
1966年、作家のジョン・G・フラーは著書「宇宙誘拐 ヒル夫妻の“中断された旅” (The Interrupted Journey) 」の中でこの星図を紹介。
すると、この本を読んだオハイオ州オーク・ハーバーの小学校教師でアマチュア天文学者のマージョリー・フィッシュが独自に星図の研究を開始。
フィッシュは書かれた星の1つが太陽であると考え、ベティの星図と同じ配置になる惑星を探しました。
その結果、星図は地球から39光年の位置にあるゼータ連星系を示していることを突き止めたのです。
さらに、ベティの星図には当時まだ発見されていなかった星まで描かれていました。
なお、宇宙人による連れ去りや誘拐事件については、下の記事でまとめて紹介しています。
連れ去り・誘拐・墜落・目撃など、UFOや宇宙人に関する事件をまとめてご紹介
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誘拐事件の報道
*連れ去りを証言するヒル夫妻
1965年10月25日、ボストントラベラー紙が一面でヒル夫妻の誘拐事件を取り上げました。
さらに翌日には、UPI通信社が同様の記事を掲載。
これらにより、ヒル夫妻の誘拐事件は世間に知れ渡りました。
なお、記事にはヒル夫妻が書いた宇宙人の似顔絵も掲載されています。
大きな目、小さい鼻、髪の毛がない頭部、低い身長などが特徴。
これがきっかけで、一般的に「グレイ」と呼ばれる宇宙人のイメージが定着したと言われています。
ヒル夫妻に浴びせられた批判
誘拐事件の報道を受けて、ヒル夫妻の誘拐体験を「デタラメだ」「幻覚だ」などと批判する人が大勢でました。
例えば一部の精神科医は、ベティ(白人)とバーニー(黒人)が異人種間結婚だったことでストレスがたまり、それが幻覚を引き起こしたと指摘。
この指摘そのものが人種差別的であり、まったくの的外れですが、このような批判を受けることをヒル夫妻は予測していたはずです。
それでも誘拐事件の体験を世に出したのですから、二人が誘拐事件は夢や幻覚じゃないと強く信じていたことが分かります。
まとめ
この記事では、1961年に起ったヒル夫妻の誘拐事件をご紹介しました。
被害者のヒル夫妻は逆行催眠で誘拐の一部始終を思い出し、その体験を新聞や書籍で公表。
そこには強い信念が感じられます。
それが実ったのか、この誘拐事件以降、同様の被害を訴える人が世界中で続出。
宇宙人による誘拐が日常的に行われていることが分かったのです。
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