プロジェクト・ブルーブックとは、アメリカ空軍が行ったUFO調査プロジェクトです。
公開された機密文書や科学顧問を務めたJ・アレン・ハイネックの証言から、実在したプロジェクトだということが分かっています。
そこでこの記事では、プロジェクト・ブルーブックの内容と、J・アレン・ハイネックについてご紹介していきます。
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プロジェクト・ブルーブックの目的はUFO調査
1947年の夏までに、アメリカでは無数のUFO目撃情報がありました。
たとえば1947年6月24日。
実業家のケネス・アーノルドは、自家用機でワシントン州レーニヤ山の近くを飛んでいた時に、正体不明の飛行物体の一群を目撃しています。
ケネス・アーノルドによると、これらの飛行物体の速度は飛行速度は時速1,200km以上。
当時、時速1,000kmを超える飛行機は開発されておらず、宇宙人が操縦するUFOだったと思われます。
また、数日後には同様の目撃情報が他の地域でも20件ほどあがりました。
これらの事実が新聞で報じられたのをきっかけに、全米でUFOの目撃情報が続出。
一気に数百件も増えました。
この状況を重く受け止めたアメリカ空軍のネイサン・トワイニング中将は、1948年にプロジェクト・サインを発足させ、UFOを調査することに。
これが後のプロジェクト・ブルーブックとなるのです。
プロジェクト・ブルーブックの発足
プロジェクト・サインは「UFOは本物だ」と結論付けました。
しかし、アメリカ空軍の上層部はこの結論に納得しなかったと言われています。
その結果、最終的な報告書には「UFO現象は見間違いか自然現象だ」と記載されました。
その後、プロジェクト・サインはプロジェクト・グラッジへと名称を変更。
さらに1952年にはプロジェクト・ブルーブックへと変わっています。
無論、プロジェクト・ブルーブックの目的もUFOの調査。
空軍に寄せられる目撃情報を調べ、それがUFOなのかどうかを判別していたのです。
ここで注目すべきは、プロジェクト・サインの最終報告で「見間違いか自然現象だ」と結論付けたにも関わらず、アメリカ空軍がUFOの調査を続けたこと。
本当に見間違いか自然現象なら、それ以上の調査は必要なかったはずです。
このことから私は、アメリカ空軍はプロジェクト・サインによってUFOが本物だと認識したと考えています。
ただ、それを公にはできないため、表向きは「見間違いか自然現象だ」としたのではないでしょうか。
ちなみに、1947年の前後はアメリカ全土でUFOの墜落事件が続発した期間。
その主なものは次の通りです。
- 1945年ニューメキシコ州サンアントニオ
- 1947年アイダホ州ツインフォールズ
- 1947年ニューメキシコ州ロズウェル
- 1949年モンタナ州ヘブゲン湖
- 1952年ウエストバージニア州ブラクストン郡
これらの墜落事故もプロジェクト・ブルーブックやグラッジ、サインで調査されたと思われます。
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プロジェクト・ブルーブックの内容
プロジェクト・サインからプロジェクト・ブルーブックまでに、合計で12,618件のUFO目撃情報が集められました。
これらの目撃者には、一般人だけでなく戦闘機のパイロットも含まれます。
その内の701件は未解明のまま。
つまり、宇宙人の存在を強く示唆していたわけです。
しかしながら、プロジェクト・ブルーブックは1969年に閉鎖。
最終的な報告書には、「UFOの存在を示す証拠はない」と記載されました。
なお、プロジェクト・ブルーブックで調査された目撃情報の詳細は機密扱い。
情報公開請求によって公開された文章でも、肝心な部分はすべて黒塗りになっています。
ドラマ化されたプロジェクト・ブルーブック
プロジェクト・ブルーブックのことは、ノンフィクションに近いフィクションとして、2019年にドラマ化されました。
ドラマ化にあたって脚色されているとはいえ、そこで取り上げられているUFO事件は実際に起ったものです。
前述した通り、プロジェクト・ブルーブックの調査内容はそのほとんどが機密扱い。
ゆえに、脚色はされているものの、ドラマ『プロジェクト・ブルーブック』を観た方が内容は掴みやすいでしょう。
ドラマ全体のイメージとしてはXファイルに近い感じ。
残念ながら2シーズンで打ち切りとなりましたが、非常によく出来たドラマであり、UFO関連に興味がある人には大変おすすめです。
ちなみにこのドラマは、実際にプロジェクト・グラッジとプロジェクト・ブルーブックで科学顧問を務めたJ・アレン・ハイネックが監修しています。
*ドラマ『プロジェクト・ブルーブック』はゲオの宅配レンタルDVD・ブルーレイで視聴できます。
プロジェクト・ブルーブックの科学顧問J・アレン・ハイネック
J・アレン・ハイネックは、元オハイオ州立大学の准教授です。(専門は天体物理学)
彼はプロジェクト・グラッジとプロジェクト・ブルーブックで科学顧問を務めました。
科学顧問に就任当初、ハイネックはUFOは単なる見間違いか自然現象だと考えていたそうです。
しかし、調査の過程で説明がつかない事例が多数みつかったため、UFOの存在を信じるようになりました。
実際にUFO現象を調査した科学の専門家がUFOの存在を信じたわけですから、それが真実なのでしょう。
そんなハイネックの考えとは裏腹に、アメリカ空軍は「UFOの存在を示す証拠はない」と結論付けてプロジェクト・ブルーブックを閉鎖。
これに関してハイネックは、晩年、「プロジェクト・ブルーブックの最終報告にはUFOの存在を隠匿しようとする力が働いたようだ」と述べています。
なお、おそらくブルーブックで調査されたであろうUFOの目撃事件については、下の記事でまとめて紹介しています。
連れ去り・誘拐・墜落・目撃など、UFOや宇宙人に関する事件をまとめてご紹介
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ブルーブックに似たプロジェクトが現代にも存在する
ご紹介してきた通り、アメリカ政府は昔から秘密裏にUFOの調査を行っていました。
そしてその調査は現在でも名称を変えて続いています。
AATIP
AATIPとは、Advanced Aerospace Threat Identification Program(先端航空宇宙脅威特定計画)の略です。
AATIPの目的は、UFOを調査し、それがアメリカの脅威となり得るかどうかを判断すること。
ペンタゴン(アメリカ国防総省)が組織したもので、その存在は長い間秘密にされていました。
しかし、2017年にAATIPの責任者を務めていたルイス・エリゾンドが、ニューヨークタイムズに情報を提供。
ニューヨークタイムズはそれを記事にしました。
記事が出た当時、アメリカ政府はAATIPの存在を否定していましたが、後にその存在を認め、「すでにAATIPは終了している」と発表しています。
なお、ルイス・エリゾンドについては、ドキュメンタリー番組「解禁!米政府UFO機密調査ファイル」で詳しく紹介されています。
*「解禁!米政府UFO機密調査ファイル」はHuluで配信中です。
未確認航空現象タスクフォース
2020年、アメリカ政府は未確認航空現象(UAP)が存在することを公式に認めました。
その際、正式にUAPの動画としてアメリカが認めたのが、下の動画です。
*出典:AARO
UAPとは実質的にUFOのことであり、アメリカがその存在を認めるのは史上初です。
このすぐ後に、ペンタゴン内に未確認航空現象タスクフォースという組織ができたことも発表されました。
目的はUAPに関する継続調査。
後に未確認航空現象タスクフォースは、「目撃情報144件のうち、気球が1件、他は未確認」「いずれも敵国の技術ではない」と発表しています。
アメリカの民間UFO調査組織
プロジェクト・ブルーブックやAATIPはすべてアメリカ政府が立ち上げたもの。
ある程度の予算が投じられるので大規模な調査が可能ですが、核心に迫る部分はたいてい機密扱いとされます。
この点に不満を持ったのか、アメリカには独自に宇宙人やUFOについて調査する団体がいくつもある(又はあった)のです。
APRO
1952年、新聞記者のコーラル・ロレンゼンはアメリカ初の民間UFO調査組織APROを設立しました。
APROには各分野の専門家が集まっており、コーラル・ロレンゼンの夫で元アメリカ陸軍航空隊の将校ジム・ロレンゼンも参加。
これらの専門家が目撃情報のあった現地へ行き、徹底的に調査することでプロジェクト・ブルーブック以上の成果をあげました。
結果、他の民間UFO調査組織が立ち上がるきっかけにもなっています。
NICAP
NICAPは第二次世界大戦で誘導ミサイルを開発したデルマー・ファーニー少将が作った組織。
参加メンバーの中には、元CIA長官のロスコー・H・ヒレンケッター中将も。
1960年、そのヒレンケッターが次のように述べました。
- UFOは実在する
- UFOはソ連の航空機ではない
- UFOの調査は不十分である
CIA長官といえば、様々な機密情報にアクセスできる数が少ない人物。
そのCIA長官が民間のUFO調査組織に在籍し、「UFOは実在する」と述べているのです。
MUFON
MUFONは元APROのメンバーであるボルト・アンドラスが作ったUFO調査組織です。
1962年の設立以来会員が増え続け、現在では数千人規模にまで成長。
アメリカだけでなく、他の国にも調査員がいます。
なお、MUFONは成果の一部をその公式サイトで公開しているので、ぜひチェックしてみてください。(日本語対応)
まとめ
この記事では、アメリカが行ったUFO調査・プロジェクト・ブルーブックについてご紹介しました。
プロジェクト・ブルーブックの最終報告は「UFOの存在を示す証拠はない」でしたが、科学顧問を務めたハイネックはこの報告に疑問を呈しています。
事実、プロジェクト・ブルーブック以降もUFO調査は行われていたわけで、現在の技術をもってしても解明できない事例が多数存在。
このことから、宇宙人は存在しており、地球にやってきていると考えられるのです。
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