地球の生命の起源については諸説ありますが、近年、もっとも有力視されているのがパンスペルミア説です。
パンスペルミア説が正しければ、人類を含む地球上のすべての生物の起源は宇宙にあるということ。
宇宙人が意図的に地球にアミノ酸や微生物を送り込んだ可能性すら浮上するのです。
この記事ではそんなパンスペルミア説についてご紹介します。
<スポンサーリンク>
地球上の生命体の起源に関する3つの説
地球上の生命の起源については、次の3つの説があります。
- 自然発生説
- 神による天地創造説
- パンスペルミア説
自然発生説
紀元前4世紀頃の賢人アリストテレスは、「生物が親無しで無生物(物質)から一挙に生まれることがある」と説きました。
これを自然発生説又は偶然発生説といいます。
この説は長きにわたって広く信じられてきました。
しかし、17世紀のフランチェスコ・レディによる対照実験(レディの実験)を皮切りに否定する科学者が増え始め、19世紀のルイ・パスツールの実験によってほぼ完全に否定されています。
神による天地創造説
天地創造とは、ユダヤ教のヘブライ語聖書やキリスト教の旧約聖書「創世記」などに見られる思想です。
これらによると、神が7日間かけて地球環境を整えたことになっています。
- 1日目 神は天と地をつくられた。
- 2日目 神は空をつくられた。
- 3日目 神は大地を作り、海が生まれ、地に植物を生えさせられた。
- 4日目 神は太陽と月と星をつくられた。
- 5日目 神は魚と鳥をつくられた。
- 6日目 神は獣と家畜をつくり、神に似せた人をつくられた。
- 7日目 神はお休みになった
天地創造の時期については諸説ありますが、概ね紀元前5000年代から紀元前3000年代だとしています。
しかしながら、現在ではトルコのギョベクリテペ遺跡をはじめ、紀元前1万年以上前の遺跡がいくつも見つかっています。
また、人類の進化の歴史がもっと古いことは周知の事実です。
よって、少なくとも天地創造の時期については誤りであるといえます。
パンスペルミア説
パンスペルミア説は、地球の生命の起源は宇宙から来たとする説です。
生命の「素」として挙げられているのは、微生物の芽胞やDNAの鎖状の一部、アミノ酸など。
この概念は紀元前からあったようですが・・・
古代ギリシアにおいて主流だったのは、アリストテレスが唱えた「自然発生説」。
さらに、中世ヨーロッパでは神による天地創造説が支持されていたため、パンスペルミア説は長い間否定され続けてきました。
しかしながら、19世紀頃から注目を集めるようになり、現在では地球の生命の起源を表した有力な説として扱われています。
<スポンサーリンク>
パンスペルミア説が正しいといる根拠
生命の起源についてパンスペルミア説が正しいといえる根拠には、次のようなものがあります。
- 地球におけるモリブデンの量
- 隕石に含まれていた微生物の化石
- 成層圏で採取された微生物
- DNAの複雑化に要する時間
地球におけるモリブデンの量
地球の組成はクロムとニッケルが多く、モリブデンはわずかしか存在しません。
仮にこの環境で生命が誕生して進化したとすれば、クロムとニッケルを必須とした身体になった方が生命にとっては有利です。
ところが、現在の地球上の生物はモリブデンを必須の元素としており、クロムやニッケルはそれほど重要ではありません。
この事実をうけて、1981年にフランシス・クリックとレスリー・オーゲルは、「生命の起源はモリブデンが豊富な星にある」と主張しています。
隕石に含まれる微生物の化石
1996年、当時のアメリカ大統領・ビル・クリントンが「火星に生命がいたことを証明する痕跡がみつかった」と発表しました。
その発表によると、1万2千年前に火星から飛んできた隕石に、地球で生息する微生物とそっくりな形の化石が付着していたというのです。
この隕石を調べたのはNASAの専門家チームであり、メンバーの一人であるジル・レヴィンは、「明らかに微生物の化石だ」と述べています。
ところが、一部の科学者が「DNAを持つにしては小さすぎる」という理由で、「これは微生物ではない」と反論。
結局、この反論に押し切られる形で、微生物発見のニュースは忘れられていきました。
そんななか、近年になって、自然界には隕石に付着していた化石よりもさらに小さい微生物の存在が確認されました。
これにより、「小さすぎるから微生物ではない」という主張は科学的根拠を無くしたことになります。
つまり、ジル・レヴィンが当初から述べているように、火星から飛来した隕石に付着していた化石は、微生物のものだった可能性が高いということ。
それと同時に、火星から飛来した微生物が地球で進化した可能性も否定できないのです。
なお、問題の微生物の化石に関しては、ドキュメンタリー番組「古代の宇宙人」(第70話)で詳しく紹介されています。
成層圏で微生物が採取されている
微生物学者のミルトン・ウェインライトは、「成層圏には無数の微生物がおり、絶えず地球に降ってきている」と主張しています。
ウェインライトがこう主張するのは、独自の調査により、成層圏にいる微生物を採取してきたから。
地上から気球を飛ばし、上空3万7千mまで上がったところで空気を採取。
それを電子顕微鏡でみると、多くの微生物が確認できるのです。
この結果について他の科学者は、「地上の微生物が上空まで舞い上がっているにすぎない」と、否定的な立場をとっています。
しかしながらウェインライトは、「上空3万7千mまで舞い上がれるのは、6ミクロン程度の微生物まで」と主張。
成層圏で採取した空気に入っていた微生物のサイズは200ミクロン以上もあり、地上から舞い上がったとは考えにくいといいます。
このウェインライトの主張が正しければ、宇宙には無数の微生物がいることになりますから、隕石などに付着して地球にやって来る可能性は十分にあるのです。
なお、成層圏にいる微生物については、ドキュメンタリー番組「古代の宇宙人」(第210話)で詳しく紹介されています。
*「古代の宇宙人」はHuluで視聴可能です。
DNAの複雑化に要する時間
人のDNAは60万年ごとに複雑化すると言われています。
これをベースに逆算すると、人のDNAが誕生したのは90億年前。
一方で、地球は誕生からまだ45億年程度の惑星であることが分かっています。
よって、人のDNAの起源は地球以外にあると考えられるのです。
<スポンサーリンク>
パンスペルミア説は3種類ある
実のところ、パンスペルミア説は3種類あります。
一つ目は、アミノ酸や微生物が隕石などに付着し、地球に飛来したとする弾丸パンスペルミア説。 (岩石パンスペルミア説ともいう)
二つ目は、アミノ酸や微生物が隕石などに付着することなく、放射圧または光圧で宇宙空間を移動してきたとする光パンスペルミア説。
三つ目は、宇宙人が意図的にアミノ酸や微生物をまいたとする意図的パンスペルミアです。
最有力は宇宙人が関与したとする意図的パンスペルミア説か?
3種類あるパンスペルミア説のなかで、私は意図的パンスペルミア説が最有力だと考えています。
というのも、弾丸パンスペルミア説や光パンスペルミア説だと、偶然に偶然が重なる必要があり、発生確率が低いからです。
近年の研究により、アミノ酸であれ微生物であれ、条件が整えば宇宙空間で存在でき、なおかつ大気圏突入時の摩擦熱にも耐えうることが分かっています。
たとえば、氷でできた彗星の内部に微生物がたまたま閉じ込められており、それが地球に衝突したといった具合です。
たしかに不可能ではないと思いますが・・・
広大な宇宙において、偶然アミノ酸や微生物を閉じ込めた彗星が、これまた偶然地球に衝突する確率はどれほどあるのか?
仮に衝突できたとして、その後アミノ酸や微生物が地上で進化できる確率はどれほどか?
おそらく、これらの確率はかなり低いでしょう。
それよりは、宇宙人の存在を素直に認め、彼らが意図的にアミノ酸や微生物を飛ばしたと考える方が無難。
宇宙線や大気圏突入時の摩擦熱に耐えうる何らかの器を作り、その中に微生物と成長に必要な養分を入れて宇宙の各方面に向けて飛ばした結果、その一つが地球に飛来したのかもしれません。
あるいは、地球をみつけた宇宙人が、UFOで地上まで降りてきて、生命の種(アミノ酸や微生物)を置いていったとも考えられます。
<スポンサーリンク>
宇宙人が地球環境のすべてを創造したかもしれない
パンスペルミア説が説明しているのは生命の起源について。
植物や海・大気といった環境がすでに整っていた地球に、宇宙から生命の起源がやってきたという考え方です。
これに対して私は、地球環境のすべてを宇宙人が創造したと考えています。
たとえば月には、人工的に作られて太陽系の外から運ばれてきたという説があります。
実際、月は地球からの距離、重力、サイズなどが絶妙であり、仮に月がなければ、地球に生命が宿ることはありませんでした。
そんな偶然が起こる確率は極めて低いはずであり、ここに宇宙人の意図を感じます。
また、宇宙人を神に置き換えて考えれば、神による天地創造説とも矛盾しません
ユダヤ教やキリスト教が神と呼んでいるだけで、天地を創造したのは宇宙人だったかもしれないのです。
なお、神と宇宙人の関係については、下の記事でまとめています。
神話や伝説、古文書に登場する神の正体は宇宙人だった!人間は彼らによって作られた
地球に生命を芽吹かせた宇宙人の目的は?
宇宙人が地球に生物を芽吹かせたのは、将来的に移住できる惑星を確保するためだと思われます。
すべての星には寿命がありますから、種の保存を考えれば移住先の確保は必須。
海や大気はもちろんのこと、食料となる動物や植物までが予め用意されていれば、容易に移住できます。
宇宙人が人間を誘拐し人体実験をしていると主張する学者もいますから、移住するために地球環境を整えたという考え方はまんざらでもないのです。
まとめ
この記事では、地球の生命の起源についてご紹介しました。
有力視されているのは、生命の起源は宇宙にあるとするパンスペルミア説。
とりわけ、宇宙人が意図的に生命を芽吹かせたとする意図的パンスペルミア説を私は支持しています。
その場合、宇宙人の目的は移住先の確保だと考えられますから、いつの日か彼らが移住しにやってくるかもしれません。
<スポンサーリンク>
コメント